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2006/08/15 UP
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テーマ:夏ばて

内科医師 田村拓二先生

暑い毎日が続いていますが、皆さん夏ばてをしてませんか?夏ばての原因には、現代の生活習慣の影響も大きくあるのです。今回は、そんなお話をしていきます。

   
 

夏ばて!とは

「夏ばて」と言っても明確な定義があるわけではありません。
して言うなら「夏ばて症候群」とでもいいましょうか?夏という高温多湿な気候に身体的ならびに精神的にも適応できず、不調をきたす病態のことを
「夏ばて」と表します。

症状としては極めて様々で「だるさ」「食欲不振」「微熱」「下痢」などなど、もちろん決まった検査があるわけではありませんので、むしろ様々な検査の結果他の病名がつかない、というのが条件になるでしょう。

夏ばての原因というのはこれまた様々で、基本的には「暑さ」が原因であり、暑さにより食欲低下し栄養不足、脱水になり活動性が低下、睡眠不足併発などを引き起こす訳です。特に「食欲不振」は「夏ばて」を表す特徴的なフレーズと思われます。

夏特有の変調を「夏ばて」というのは今も昔も変わらないのでしょうが、
その内容としては徐々に変化しているかも知れません。なぜかというと昔は「夏はどこに行こうが、いつ何時でも暑いもの」と決まっていました。
せいぜい扇子や団扇、呼び水、水浴びにて涼を取るくらいでした。
でも最近は違います。扇風機ならともかく、エアコン・クーラーが出現してからガラッと夏という季節はつきあい方が変わってしまったようです。いまや冷房に一日当たらない、ということは一般的な日常生活の中でほとんどないのでは、と思われます。

通勤電車や会社の中、帰りの買い物をするスーパーでも冷房はガンガン効いています。一日中休みの日に家にいたら、もしかしたら一日中冷房の中にいることもあり得るかも知れません。もともと冷房は暑さから逃れるためのものです、あたりまえですが。言い換えれば「夏ばてから逃げる道具」でもあるかも知れません。でもそもそも逃れられないはずの暑さが「夏ばて」を引き起こして来たわけです。

 

「夏ばて」は解消されたのでしょうか?

では、冷房が登場して広まってから「夏ばて」は解消されたのでしょうか?

「夏ばて」は解消されていません、というか変化しつつあるかも知れません。

温度を感じる皮膚の温度受容体、温度センサーは暑さや寒さを感じると毛細血管を広げたり、収縮させたりします。それにより体温調節をしているわけです。
例えば暑い時は皮膚の表面に近い毛細血管を広げ、血液の流れを良くして汗をかいたりして熱を逃がしやすくします。逆に寒い時は毛細血管を縮めてあえて血液を流れにくくすることによって熱を逃がさないようにするわけです

ところがこのセンサーは「寒いか暑いか」しか判断できないため、真夏でも冷房で冷えた室内であれば「今は冬だ!」と判断してしまうわけです。
更に通勤電車に乗り、駅から会社まで歩き、社内でミーティングをし、また営業に出ていく・・・なんて事をしていると、温度センサー的は、冬、あれ今度はまた夏、えーっまた冬かよ??」というようになるわけです

そうなると、当初は一生懸命血管を広げたり、縮めたりとせっせと働いていたセンサーも故障しがちになり、働かなくなっていまいます。最後は温度に関係なく「血管は縮んだまま」になってしまうわけです。
「縮んだまま」だと炎天下でも熱を放散させづらくなり、冷房の入った室内では「更に血管が縮む」という現象が起こり、血液循環は明らかに悪くなってしまうわけです。これを「冷房病」といいますが、これこそまさに「現代の夏ばて」の本性ではないでしょうか?

冷房病になり血液循環が悪くなると様々な症状を引き起こします。血液循環は全身くまなく起こっているわけですので、それが悪くなるということはなんでも起こりうる、ということです。
胃などの消化管の血液循環が悪くなれば消化不良、胃もたれ、食欲不振などということが起こるでしょう。血液循環といううのは生命活動の肝、みたいなものですから健康維持の観点から非常に大きな意味を持つものでしょう。

それから考えると「夏ばて」「冷房病」を避けるには過分な「冷房使用を抑え」「体温調節を自身でコントロールする」ということと言えます。  

気温に応じて冷房の設定温度を細かく調節する、夏でもあえて上着を持ち周りの温度に応じて来たり脱いだりする。などです。

「地球温暖化」「温室現象」さらにはアスファルトによる「放射冷却現象」など近年になればなるほど実は夏が厳しくなってきています。原因は当然文明化の弊害ですが、さらに「文明化で厳しくなっていく夏」を突破していくためには皮肉にも「文明化、化学技術」を利用しているのが現状です。

「クールビズ」なんかはやっていますが出来れば「○○の清涼スーツ」なんてのではなく「オーガニックコットンのポロシャツ」なんかにして欲しいものです。単純に「冷房温度を上げ、温暖化防止をはかる」というのは正しいと思いますができれば更に「そのシャツ、スーツの作成から廃棄にいたるまで」も考えに入れていただきたい者です。                              

夏の夕立のあとの感覚、麻100%のシャツの心地よさ、モルツ100%天然水のビールのうまさ。・・・最後のはちがうだろって?
いや100%ビールも私は現代の自然の夏の涼と勝手に決めております。温度が下がらなければ涼を取れないわけではなく、どうしたら「涼しく感じるのか」を追求すれば実際の温度が下がらなくても多少なりとも心地よく過ごせるようになるでしょう

ある意味貴重になってしまったかも知れません、「昔ながらの夏ばて」というものが。なかなか感じられなくなってしまったわけですから。乱暴にいうと「夏なんだから多少は夏ばてしてもいいじゃん、あたりまえだよ」というのが自然かも知れません。そもそも自然の夏、昔ながらの夏も暑いのですから。

 


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