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2006/10/19 UP
Enjoy LOHAS ロハス実践者によるリレーコラム
 

病気治療と運動

内科医師 田村拓二先生

すっかり朝夕涼しくなってきました。秋です。秋と言えば「食欲」であり「運動」切っても切れません。いわば秋の季語のようなものですが、考えようによると「食べるから太らないように運動する」「運動するからおなかがすいて食べる」・・・
ある意味表裏一体なのかも知れません。
そこで今回取り上げるのは。。。

   
 
「病気治療と運動」

昨今は何となく「運動は体に良い」「一日10000歩」など運動療法の一部が断片的に一人歩きしている感があります。「運動療法」というものについて今回はパッと見には「全然関係ないじゃん!」というような疾患と運動を絡めてお伝えしようと思います。

【運動がアルツハイマーに有効?】


米国心理学会で「運動は加齢に伴う脳の構造・機能維持に役立ち、アルツハイマー病およびそのほかの認知症の発症を遅延させる可能性がある」と発表されました。臨床データによれば運動を週に数回行っている者は行っていない者に比べてそもそも認知低下率(物忘れ度合い)が低いと言う事が明らかになりました。これは神経を保護する物質の分泌や脳の血流が良好に保たれている事などが原因と考えられています。特にその運動からの利益は数十年間にわたり継続されるそうです。しかもさらに65才を越える被験者を対象とした研究にて一回15分〜30分で週3回の運動を継続すれば遺伝素因を持っているアルツハイマー病ですら発症の確立を下げる事ができる、ということまで明らかになってきています。遺伝を背負っている、ということは病気としては元来かなり直すのは困難である、と言っているようなものですから(生まれつきの体質みたいなもの)、それを何とか出来るというのは結構すごい事だったりします。

特に有酸素運動は他の種類の運動と比較して、より加齢に対する脳機能に対してより有効であったそうです。脳の柔軟性維持に有効みたいですね。まだまだ「どんな種類の運動を、どの位行えば最も有効なのか」「サプリメント摂取やライフスタイルの違いの影響」など未確定の要素もまだまだありますが、「厳密な種目での効果の違いはなさそう」とのことで、まずは「1回30〜45分間、週3回以上の有酸素運動を続ける事」だけが条件のようです。ウォーキングでもティラピスでも良いみたいですね。

【運動がうつ病を治す?】
運動はうつ病患者の気分を高揚させる可能性がある。アメリカにて発表された文献であるが、元来うつ病患者は日常生活をすごしていくためにカフェインやアルコール、タバコなど利用して自己治療に努める傾向があるが、低〜中等度の運動はうつ病を軽快させる可能性があり、アルコール摂取のように健康への悪影響も考えにくい、とされました。内容としては最近うつ病と診断された40人の患者において30分にわたる歩行運動と30分にわたる安静を比較したところ「緊張」「怒り」「憂鬱」といた感情は減少傾向を示し、「活力」「幸福感」といった感情については増加傾向を示したそうです。ただ、メカニズムに関してはまだこれから解明、という事や「一時的な改善を認めるのみであり、治癒につながるわけではない」という可能性もありますが、医学的に解明されれば最近は社会現象と言えるまでに増加しつつあるうつ病に対し、新たな加療予防を問いかける事になるかも知れません。

動は腸を元気にする?】
過敏性腸症候群(ストレスなどから来る慢性的な腸炎)の症状や消化管痛は運動をすることにて軽減する。ということがワシントン大学にて発表されました。過敏性腸症候群は腹痛・腹部膨満・下痢・便秘からなる症候群でアメリカでは5人に1人がかかっていると言われています。

1000人の被験者において健康な食事(脂肪を控え、果物や食物繊維を多く摂取する)と運動は消化管の症状を少なくさせた、ということです。体を動かすと消化管運動が亢進するし、気分を良くする。精神的要素による影響の大きい過敏性腸症候群であることから他の消化管疾患より、より改善効果が認められた物と考察されました。

【運動療法のこれから】

今までは運動療法というと、糖尿病や高脂血症、肥満など生活習慣病の範疇でその効果が注目される事が多く、基本的にはダイエットの一環でした。しかし、上述のいずれも「運動→体重減少、脂肪減量→疾患改善」という間接的効果というよりは、その運動自体の直接的な効果について着目しており、これからはより広くその効果や具体的な仕組みについて検討されていく事でしょう。
ただし、運動療法はまだまだ研究途中です。このように疫学的に、事実確立として構成された研究と別に、「有酸素運動は、酸素を多く取り込むわけであり、すればするほど体が酸化され病気が増えるかも知れない」というような理屈から、有酸素運動を反対している研究者もまたいます。しかし理屈的には確立されていなくとも、明らかに有酸素運動が有効とされたという症例も上にあげた物の他にも多々あり、全く関係ないとするのは困難と思われますので遠からず解明されていくでしょう。


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